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私の朗読作品集・作詞集・自由詩集

借金童話『鵜の借金返し』小説『逃走』

更新日:

借金童話『鵜の借金返し』小説『逃走』

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いつもお世話になっております!
私の朗読作品集は私が朗読する作品を
セレクトした朗読作品集です。

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単身 引越し見積もり

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☆私の朗読作品集の前回の記事です☆
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小説『バス』自由詩『コーヒーカップ』小説『階段』 自由詩『鬼の器』小説『夢ぎつね』小説『通り過ぎた幻』作詞『恋は雨上がり』


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借金童話『鵜の借金返し』

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白鳥の湖に
借金鳥と呼ばれる
金貸し鳥のアヒルがおりました。

借金鳥は
お金に困った鳥達に
金利の高いお金を貸し付けて
お金儲けをしていました。

「ガァッガァッガァ
 お金を貸すたびに
 お金が増えて戻って来る
 お金の雪だるまだガァ」

借金鳥は
お金を数えながら
ソファーにふんぞり返って
大笑いです

ある日のこと

借金鳥は
ご自慢の葉巻を
プカプカと吸いながら
新しいお金儲けを
思いつきました

「債務鳥(お金を借りた鳥)を集めて
 商売でもさせるガァ」

借金鳥は
羽をバタつかせて
大笑いです

「借金の利息は入るし
 商売の売上げも入るし
 一石二鳥だァガァガァガァ」

借金鳥は
頭の良い鳩達を集めて
宅配事業に乗り出しました

「いいガァ?
 お前達は“ぽっぽ宅配便”として
 お客鳥達に荷物をお届けするガァ」

「くるっくー!」

鳩達は羽を額につけて敬礼します

「社畜ならぬ社禽(猛禽類)として
 一生懸命働くガァ」

「くるっくー!」

こうしてスタートを切った
“ぽっぽ宅配便”ですが
頭の良い鳩達は
配送中に荷物と一緒に
空に消えてしまうという
“借りパク逃げ”が
頻発しました

「借金も荷物も借りパクするなんて
 ひどいガァ!」

借金鳥は
バケツ一杯のビールを
飲み干しながら
顔を真っ赤にして怒ります

「あの空を飛んで逃げられないように
 この首輪をつけて
 もう一商売してやるガァ!」

借金鳥は鵜飼い漁のように
鵜に首輪をつけて商売をするという
アイデアを思いつきました

「いいガァ!
 お前達の首につけた首輪には
 あの桃の木にくくりつけた
 このヒモをつけているガァ」

「うー!うー!」

鵜達は空に向かって叫びます

「うーうー鳴き声がうるいから
 お前達の商売は
 夜鳴きソバにするガァ
 たくさんソバを売るガァよ?」

「うー!うー!」

鵜達は桃の木の周辺を
泳ぎ回りながら
お客鳥達に向かって
声を張り上げます

「夜鳴きソバいかがだうー!」

「こっちまでGoTo出前ソバお願いするワシ」

「ヒモの範囲までしかいけないうー!
 GoTo対象外だうー!」

「じゃあいらないワシ」

「GoToキャンセルだうー!」

鵜は引っ繰り返ってしまいました。
それでも、鵜達はソバを売り続けました

ある鵜は一生懸命考えました

「どうしたら
 この借金首輪をはずして
 こんな湖から抜け出せるうー!」

鵜は夏の青空に向かって叫びます
そこに鵜の恋人のカモがやってきました

「デート行くカモ」

「仕事があるから行けないうー!」

「カモと仕事とどっちが大事カモ?」

「それ地雷発言だうー!NGだうー!」

鵜は恋人のカモと喧嘩をしながら
こんなことを言いました

「一緒にお風呂に入るうー!」

「他の鳥が見てる前じゃ嫌カモ……
二鳥きりなら考えるカモ?」

カモは乙女モードになって
恋人の誘いを一度は拒否しました

だけど、鵜はめげずに
恋人のカモを口説き続けます

「二鳥じゃないうー!
 カモが一鳥で入るうー!」

「一鳥じゃ寂しいカモ……」

カモは赤くなった顔を
両羽で隠しながら
恥じらうように声を出しました

そこで、鵜は畳みかけるように
言いました

「寂しくないうー!
 カモが入るところを
 ずっと見ているうー」

「お風呂に入るトコ
 見られるなんて……
 恥ずかしいカモ」

「大好きなカモを見ていたい
 それじゃダメ……うー?」

「お風呂は、やっぱ恥ずかしいカモ……」

「お風呂じゃなくて鍋だったら……うー」

鵜はカモの前に鍋を置いて言いました

「お風呂に入るんじゃなくて
 お鍋に浸かるだけ……
 それだったらいいうー?」

「いいカモ……」

カモは恥ずかしそうに
鍋の中に入り
鵜は鍋の中に
水を一杯入れました

「君につけて欲しいモノがあるんだ……うー!」

「なにカモ?」

「髪飾りじゃなくてネギ飾りだうー!」

鵜はカモが入った鍋に
たくさんのネギを浮かべます

「気持ちいいカモ……」

カモはネギ風呂に浸りながら
ご満悦です

「カモネギで取った出汁で
 極上のソバが作れるぅー」

鵜は恋人のカモに聞こえないように
そっと呟きました

次の日から
“鴨ソバ”は絶好調の売上げを見せ
鵜のソバ屋は大忙しになりました

「うまいチュン おいしいチュン」

「スープは最高タカ……
 麺が少ないように感じるタカ」

鷹は両羽に丼を抱えたまま
鵜をじっと見つめます

鵜は何食わぬ顔で
平然と答えます

「美味しいから少ないと感じるうー!
 楽しい時間は早く過ぎるうー!
 それと同じだうー」

「そうだっタカ
 疑ってすまなかっタカ
 許して欲しいタカ」

「許さないうー!
 罰ゲームとして もう一杯注文するうー
 サイズはハーフ、値段は三倍増しの
 ぼったくりソバを注文するうー」

「悪徳商法タカアァァァー!」

鷹は身をのけぞらせて叫びました
鵜は鷹に背中を向けてほくそ笑みます

「流石に一杯ごとに麺十本抜くのは
 気づかれたうー……
 抜いた麺を一杯分溜めて売れば
 一杯分の裏金ができるうー」

「この裏金で買った食材で
 更にスープを美味しくして
 売上げも裏金も増やしていくうー」

鵜は恋人のカモと一緒に
鍋に入れる具材の
品数とグレードを増やして
さらに美味しいスープをつくり
売上げを増やしていきました

「よくやったガァ!
 これで借金返済ガァ
 今日でお前は自由の鳥ガァ」

「この店は
 他の債務鳥(お金を借りた鳥)に
 継がせるガァ」

借金鳥は満面の笑みを
浮かべながら
鵜の首から首輪を外しました

「これで自由の身だうー!
 カモと一緒に旅立つうー」

「行くカモ……でも――」

鴨は湖の畔に漂う
夜鳴きソバの屋台に
視線を投げます

「あの店ちょっともったいないカモ……」

「大丈夫だうー!
 君がいれば“鴨ソバ”は
 作れるうー」

「でも……」

「これからは
 夫婦ソバ屋として
 頑張って行こうー」

「夫婦ソバって、ひょっとしてカモ……」

鴨の問いかけに
鵜は大きく頷いて
自分の思いを声に出します

「プロポーズだうー!」

「嬉しいカモ!」

「うー!」

鵜とカモは
白鳥の湖の水面で
お互いの健闘を称え合うように
抱き合いました

「あの夕日に向かって飛ぶうー!
 最初に見つけた湖を
 僕らの愛の湖にするうー!」

鵜はカモに向かって
大きく翼を広げます

「タモ……カモリさん
 僕について来てくれるかもー?」

「いいタモいいともいいカモー!」

カモは両羽を広げて
大きな円をつくりました

オーケーサインです

鵜とカモは大きな翼を広げて
一対のつがいとなり
夕日が照らす
地平線の向こう側へと
飛び去って行きました。

終わり

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借金童話『鵜の借金返し』
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『小説教室』作品の仕上げ方

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描けるところを描く
描けたシーンを組み合わせて作品を仕上げる

まずシーンを作る→シーンの組み合わせを考える→完成させる
これは映画の手法(構成力

描けないところ、苦手なところは描かない
描ける・得意な部分のみを描いて組み合わせる

これでワンランク上の作品となる

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『小説教室』描けない原因とは?

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イメージの枯渇+描写力の限界+文章力の欠如=描けない

イメージは描くことで明確になっていく
描きながらイメージを構築しよう

描写力は描くほど身についていく
現実・リアル何でも描写しよう

文章力=語彙力+表現力(使い方
文豪の名作を書き写して身につける(写経)

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『小説教室』落選する原因

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出版とは投資ビジネス

受賞者(小説賞)に投資(賞金)してリターン(売上げ)を狙う商売

落選作品

(入賞させる)価値がない作品

(育てても)リターン(売上げ)が見込めない作家(志望者)

入賞作品

入賞させる価値がある(と思わせる)作品

商品にできる作品

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小説『逃走』

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ピンポーン

ある日突然“職員”が自宅に訪問して来た

疫病の調査だと言う

拒否すれば逮捕されるので
素直に応じたが
思い出せない部分や
あやふやな部分がある

職員はそこを突いて来た

「虚偽申告だと判断する」

職員の判断は絶対だ
職員に“強制連行”される

行き着いた先は原発だ

少し前までは簡易的にも
裁判が受けられていたが
今はもう裁判などない

緊急事態の名の下に
違反行為が認知された時点で
即座に刑罰が執行される

違反者に拒否権も
抗弁権もない

強制連行という名の人狩りだ

私は原発施設内に指定された
臨時刑務所に送られた
ここは原発作業員の
宿舎だった場所だ

「悪知恵に長けてるな……
 現存施設を代換施設として指定すれば
 新しく施設を造らなくていいからな」

職員に聞こえるように
嫌みを言ってやったが
返事の代わりに
額を殴られた

「今、お前が痛みを感じている部分に
 注射を行う」

職員は私を押さえつけて
注射針を額に打ち込む

「うわ――」

全身を駆け巡る違和感に
私は声を放った

職員達が冷徹な笑みを浮かべて
恐ろしい現実を口にしていく

「今、お前に注入したのはGPSだ」

「何処へ逃げてもすぐにわかるぞ」

「昔は足に装着させていたが
 足を切断して逃げる者が
 多かったんでな」

「今は額になったよ」

「逃げても居場所は丸わかり。
 だから――」

職員が私を脅すように
にらみつける

「逃げてもムダだぜ」

私は放心するように
窓の外を眺め見た

天井が崩れ落ちた
原発1号棟が
廃墟のように
海辺に朽ち果てている

「あんな化け物させなけりゃなぁ……
オレもお前も平和に
暮らせてたんだけどヨ」

初老の職員が
窓の外に吸殻を投げ捨てる

「あの事故が起きてからよ
人口が激減してな――
企業も店もバタバタ潰れて
この大不況よ」

「その上、疫病の大流行だろ?
まぁ、お偉いさんは……
何もかも疫病のせいにできて
喜んでたけどな」

「責任とらなくていいしよ」

職員達の不満が口を割って出る

「オレ達木っ端役人は
人がいなくななった分
仕事増えるわ給料減るわで
踏んだり蹴ったりよ」

「その分、オメーラ受刑者いじって
楽しンでっけどよ!」

ギャハハハハ――

下品な笑い声が
部屋を包み終わった後
私は勇気を出して声を放った

「あ、あの……人口が減ったって、
どのくらい?」

「アン?」

職員の視線に一瞬怯んだが
私は一呼吸置いて言葉を振り絞る

「えーと?事故の前は
1億3千万位でしたよね?
今は1億位……」

ギャハハハハ――

職員達の嘲笑に
私の声が吸い込まれて
消えて行く

「聞いたかよ!1億だってよ」

「姉ちゃんよ
1億なんてのはな
バブル時代の数字だぜ」

「バブル時代は
平日でも通勤地獄
会社も観光地も人で溢れてよ
歩く隙間もなく
大変だったんだぜ?」

「姉ちゃん、
デパートとか行ってるか?
今の時代はな
1フロアに客が1人もいないとか
ザラにあるぜ」

「は、はぁ……」

私の困惑した表情を眺めながら
職員達が話を続けていく

「五十年、六十年と続いた
老舗のデパートだの商店だのが
撤退したり店閉めたりしてんだろ?」

「はい……
うちもデパートなし県になりました」

「それは五十年、六十年前より客……
つまり人がいなくなったって
事なのさ」

「で、でも……うちって
すごく田舎の県だから」

「あンなァ? 老舗のデパートやら
ナンやらが撤退したり潰れてンのは
田舎も都会も首都圏も同じだぜ」

「つまりは、日本中から
人が消えてるってことなのさ」

「人が消えてる?
じゃあ消えた人は何処へ……」

「あの世さ――」

「――!?」

「オレはバブル時代に
小学生でな
1クラス54人で
全校生徒は3000人
超えてたぜ」

「うちは1クラス33人
全校生徒1000人位です」

「3分の1じゃねぇか?
おかしいよな?」

「人口1億のバブル時代でさえ
全校生徒は3000人だぜ
今は1億3千万いるんだろ?
なんで3分の1になってんだ?

「そ、それは少子化で大変だから……」

「おっと?
子供のせいにすんのかい……
まぁ、いいだろ」

職員は腕組みをしてから
一呼吸置いて声を放った

「事故がおきる前
世間は就職難で騒いでた

「つまりは、人あまりだ
国立大学出ても職がないって
騒いでたぜ

「それがいつから人不足になったんだ?

「え、えーと……」

「答えを言おうかい?
事故の後さ」

「あの事故の後、
いきなり人不足になった」

「そ、それは景気が回復して……」

「景気なんて回復してねぇよ
むしろ悪化した

「企業も商店もドカドカ倒産
非正規・派遣・バイトですら
職がないねぇ」

「景気が悪化してるのに人がいない」

「ナンでだと思う?」

「それは……」

「人がいないんじゃなく
人がいなくなったのさ」

「会社から忽然と消えちまった」

「というより……この世からドボン――」

「――!?」

「知らぬはマヌケばかりなり」

ギャハハハハ――

私は悔しくて言い返してやった

「人、人が消えたという根拠は?」

「アン? まだわかんねーのか」

職員は眉を吊り上げながら
口を開く

「事故前の就職難は
団塊の世代が退職すれば
解消されると言われていた」

「人あまりの会社から
団塊の世代が
ごっそり抜ければ
人あまりはなくなるってことさ」

「だが、団塊の世代が
現役である内に
人あまりが解決するどころか
人不足になった」

「これがどういうことかわかるかい?
鈍い姉ちゃん」

私はおそるおそる口を開く

「つ、つまりは……」

「団塊の世代分の会社務めの人が
この世から
消えたってことさ」

「そうじゃなきゃ
説明がつかねぇ……」

職員はタバコに火をつけて
鬱憤を投げつけるように
煙を吐いた

「まぁ、どー考えたって
1億もいるわけねーのさ」

「店行っても誰もいねーしな」

「公園での子供の騒ぎ声問題だって
どっかに消えちまったしな」

「子供自体いねーだろ?
外歩いたって全然いないもん」

「上はウソばっかつきやがる

職員は過去を思い出すように
遠い空に視線を投げた

「事故の3年後の時点で
人口は1億を切ってた――」

「あの時点で9500万よ」

「え?でも1億3千万って……

「ンなモン。お得意の水増しよ

「いいか?姉ちゃん
よく覚えときな」

「数字はウソをつかねぇが
数字をつくるのは
いつも嘘つきだってな

職員は怒りを吐き出すように
口にした

私は事実を受け入れられずに
戸惑う

「嘘を、嘘をつかれてたなんて……」

「上はいつも嘘つきさ」

「ババ引くのはいつも下だけどな」

別の職員が冷やかすように笑った

「学校なんて
バカ製造施設だから
しゃあーねーけどな?」

「バ、バカって――
私は成績だってそれなりに――」

「あ~わかるよ。姉ちゃん」

職員が私の怒りを制止ながら言う

「アンタは成績も良く
教師からの受けも良かった……ってことは
見ててもわかるよ、うん」

「だけど、な――
学校ってのは
上を盲目的に崇めて服従する
機械を製造するとこなのさ」

「学校ってのは
個人の違いをなくして
生徒を均一化して
社会に送り出す
隔離施設さ

「小・中・高で
異質を見つけ出し
徹底的に排除する

「世間ってのもそうさ

「世間の望む姿で
社会から許された言動と
周囲の望む行動をしないと
犯罪者扱いされ
村八分にされる

「だからアンタはここに送られた

「――だよな?」

職員達は一斉に私をにらんだ。

「うっ……」

私は答えに窮して言葉を飲み込んだ

「変わったことすンじゃねーよ」

「変わったことなんて何も……
 私はただ普通に――」

「アンタのその普通と
世間様の普通がズレてっから
対象者にされて
こうなったんだろーがよ?」

「うぅ――」

「まぁよ――

職員は薄汚れた
天井を見上げながら
煙草の煙を吐き出して言った

「こうなったからにはよ
アンタも腹を決めて
廃炉作業に勤しみな

「諸外国から賠償請求が来て
お国も大変なんや

「賠償?疫病のですか?

職員は首を横に振って口を開く

「汚染だよ
あの事故が外国まで
汚染したからな

「海を越えて大陸にまで
汚染が広がって
てんやわんやなんや」

「まぁ……大陸にまで
届いてるってことはよ?
大陸に通じる海洋も
汚染してるってことだからな」

「途中の島々も
えらい怒っとんで
島の周囲が
放射能まみれやさかいな」

「政府には数千京の賠償が
請求されてるそうだ」

「数千京……!
そんなの払えるんですか?」

「払えねぇよ
だから、国ごと放射性廃棄物の
ゴミ捨て場にされるってよ」

「まあ身から出た錆ですわ

「そ、そんな私達は何もしてないのに

「一億総懺悔さ

「あの大戦だって
軍が始めたのに
国民全員が悪いって
敗戦の罪を
庶民が背負わされただろ?

「汚れた身体は
何度汚してもかまわない
汚れた過去は
消せないから……だとさ

「欧州視点だと
大陸の一番スミにあるから
自分達への影響も少ない……と
踏んだのだろう

「そんな身勝手な

「しわ寄せは弱いモンに来るやな

「あちらサンからしたら
こっちが身勝手だと思うぜ
勝手に事故起こしてよ?

「私はそんなの嫌です

「アンタの好き嫌いは関係ねぇ
この国の住人として
上がやった不始末の責任を取る

「それが一億総懺悔や

「私はそんなの関係なく
ただ毎日生きるのに必死で

「あちらサンはそうは見てねーぜ
同じ国の住人として見る

「子孫も同じこと言いよるわ
お前らのしたことで……って

「まぁ、この国に
未来があれば……だけどよ
子孫なんて上等なモンはよ」

「え――」

「オレ達は見えるのさ」

「見えてまうんや」

「アンタと同じ能力者だ

「それじゃ……

「見つかったら
アンタみたいに
迫害されちまうから
見つかんねーよーに
してっけどな」

職員が苦笑いするように
微笑んだ

私は少し安堵して
聞きたかったことを
言葉にする

「今、この国の住人ってどれくらい

「目ぇ閉じてみ

「うん……

私は素直に目を閉じた

“五千五百万”

「こんなに少ないの!

「ほやから
男も女も老人も主婦も
社会に出して済回してたやろ

「うん

「働き手が消えてもうたからやで
この世からな

「実際はもっと少なくなっけどよ?
何もかも三分の一ってな」

「どういうこと?

「もうすぐわかるさ

私は疑問に
答えてもらえない
苛立ちをぶつけるように言う

「お願い!ここから出して」

「もうすぐ出られるだ」

「え?どういう……

ドカーン!

いきなり爆発音が鳴り響き
館内放送が流される

“敵機来襲!敵機来襲!”

“各自、現状を報告セヨ”

「来やがったか
想定より早かったな

「ワイは想定通りや

「ヘッ、いつもの能力自慢かよ

「落ちついとるやろ?
有事でも

「ねぇ?一体、何が起きて――

「北帝国の襲来や

「え。北帝国……

ドカーン!

「事故が起きても
汚染垂れ流しで
ナンの手も打たなかっただろ?

「ほやから国際社会が
管理能力を喪失した
無能国家に認定しよったんや

「世界を汚染から守る為の侵攻だ

「また世界の敵になるんやな~
先の大戦と一緒やわ

「つくづく進歩のねー国だぜ
祖国ながら笑えて来らァ

「まったくやで

職員達は矢継ぎ早に
言葉を放ったが
それ以上のSPEEDで
敵が侵攻を早めて来る

“本部電源喪失”

“通信機能切断”

“幹部職員は本館前のヘリと
バスに分散乗車”

「上は自分らだけ
逃げる気やで

「こんな時でも無責任かよ

「先の大戦と何も変わらんわ

“一般職員は持ち場を死守セヨ”

“繰リ返ス”

“一般職員は持ち場を死守セヨ”

「オレ達は捨て石かよ」

「時間稼ぎの人柱や」

「ケッ――」

職員は舌打ちしてから
私に言葉を放った

「オゥ? オメェさんは逃げな

「えっ、でも――

「現時点の標的は建物だ
人狩りはその後さ――

――バリィィン

職員は窓ガラスを叩き割った

「振り返らず何も考えずに
西へ逃げろ

「ひたするに西だ
東に振り返るな

「西へ逃げろ

「そんな皆一緒に――

「ダメだ

「オレ達が時間を稼ぐ
今すぐに逃げろ

職員は私に背中を向けたまま
言葉をつなげる

「KYO以西に逃げろ
西へ行くほど汚染が少なくなる
ナンなら外国に飛ンだっていい

「早く逃げろ!

私は職員の声に
後押しされるように
窓に向かって走る

「長生きした分だけ
道を譲ったるわ

「国破れて山河あり
人が生きてこそ国が再起できる

「世界の何処かで
時代のいつかで
子孫が国を起こせるように

「オレ達の国があったことを
子孫に伝えろ

「お前達は
誇り高き太陽の国の末裔だと

「オレ達の分まで生きて生きて
生きて伝えてくれ

「頼んだで

声は聞こえなくなった
姿も見えなくなった

だけど、私は走った

ヘリは落とされ
バスは木っ端みじんに
吹き飛ばされた

建物の次は乗り物が
標的にされたのだろう

それでも、私は走り続けた

「人狩りが始まるまでに
少しでも西へ逃げねば」

この場所から抜け出せるか?
この時代から飛び立てるか?

西へ西へ――

太陽の沈む方へと
太陽に向かって
私は走った

未来へと走り続けた

END

この作品は
“シナリオ”として
描きました

最後までお読み頂き
ありがとうございました

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小説『逃走』
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開運招福・吉兆来福・運気好転・千客万来。

あなた様の
お幸せと健やかな日々を
お祈り申し上げます。

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