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シナリオ「踊り場」

更新日:

目次

シナリオ「踊り場」

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シナリオ「踊り場」。あらすじ・人物設定・配役

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☆あらすじ
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花梨は小学校、中学校と
イジメにあってきた。

だから、花梨は
いつも一人ぼっちだった。

花梨は中学三年生になった。
そして、夏休み明けに登校した。
すると、花梨の机が教室から消えていた。

花梨は教室を飛び出して、
唯一の居場所である踊り場に逃げこむが、
そこで晶と出会って……

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ダニ・ハウスダストにふとんクリーナーレイコップ

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☆人物設定・配役☆
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☆登場人物 2人~8人(声劇時)☆
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☆1 花梨(かりん)
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十五歳。中学三年生。
小学校、中学校とイジメにあって一人ぼっち。
逃げこんだ踊り場で晶と出会う。

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☆2 晶(あきら)
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十四歳。中学二年生。
職員室で教師達と乱闘をした後、
踊り場で花梨と出会う。

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☆3 同級生A
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十五歳。中学三年生の男子。
花梨をいじめている。

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☆4 同級生B。
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十五歳。中学三年生の男子。
花梨をいじめている。

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☆5 同級生C。
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十五歳。中学三年生の男子。
花梨をいじめている。

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☆6 女子A。
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十五歳。中学三年生の女子。
花梨をいじめている。

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☆7 女子B。
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十五歳。中学三年生の女子。
花梨をいじめている。

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☆8 ナレーター。
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地の文(セリフ以外の文章を担当)

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☆配役設定
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☆2人で声劇
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1晶
2花梨、ナレーター、同級生A、B、C 女子A、B

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☆3人で声劇
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1晶
2花梨
3ナレーター、同級生A、B、C 女子A、B

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☆4人で声劇
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1晶
2花梨
3ナレーター
4同級生A、B、C 女子A、B

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☆5人で声劇
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1晶
2花梨
3ナレーター
4同級生A、B、C
5女子A、B

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☆クラス一同
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クラス一同のセリフは同級生A、B、Cで担当。

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シナリオ「踊り場」あらすじ・本編

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☆あらすじ
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花梨は小学校、中学校と
イジメにあってきた。

だから、花梨は
いつも一人ぼっちだった。

花梨は中学三年生になった。
そして、夏休み明けに登校した。
すると、花梨の机が教室から消えていた。

花梨は教室を飛び出して、
唯一の居場所である踊り場に逃げこむが、
そこで晶と出会って……

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☆本編
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踊り場
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花梨「……っ、うっ……うん」

いつもの踊り場で、
私は晶にキスされた。

チュッ――

私が晶に絡めた
舌の音だけが、
踊り場の無人の静寂に
足音を刻んでいく。

花梨(いつも、強引な晶……
   でも、私はそんな晶が大好き)

私は口に出せない思いを
心の中で呟いた。

そしたら……

晶がキスをやめて、
私の瞳をじっと見ながら
言ってきたんだ。

晶「花梨。愛してるよ」

花梨「晶……」

私の胸がカーッと
熱くなっていく。

おそらく、
私は林檎みたいに
真っ赤な顔になっている……

花梨「恥ずかしい……」

私は思わず
晶から頬を背けてしまった。

だけども……

晶は私の体を
抱きしめながら
囁いてくる。

晶「オレから、逃げないで……。
  花梨、言っただろ? 
  自分の気持ちからは逃げ出せないって」

花梨「晶……」

晶「花梨もオレも……
  愛し合っているオレ達からは
  逃げられない」

晶が私を
強く抱きしめてきた。

私の口から
戸惑ったような言葉が
飛び出す。

花梨「晶。私……」

晶「花梨……もう、何も言わないで」

晶が私の口を封じるように
キスをしてくる。

チュッ――

花梨「あぁ、晶――」

晶にふさがれた唇から
私の声が漏れていく。

イケナイ……

花梨「こんな事、イケナイ……」

こんな淫らな事――。
三階と二階の狭間。
寂れた校舎の西側の片隅。

私達はいつも……
身をすり合わせるようにして
愛し合うんだ。

花梨(イケナイ事だと
   わかっているんだ……)

花梨「下級生の男の子と、
   こんな事して――」

晶と唇を重ねた分だけ、
この体に罪が刻まれていくような
気になる。

だけども……
私の罪の意識なんてものは……

晶と重ねていく
背徳の口づけの甘さに、
かき消されてしまうから――。

花梨「晶ァ……」

そして――
キスが終わったら、
晶にこう言われるんだ。

晶「花梨、愛してるよ」

そして、またキス。

チュッ――

花梨(晶、晶ァ――)

何度繰り返したのだろう?
三年生の私と二年生の晶。

お互いに
追い出されるようにして
見つけたこの居場所。

私達は
逃げ込んだ踊り場で、
恋人になったんだ。

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格安ドメイン取得サービス─ムームードメイン─

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☆回想
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花梨(結局、変えられなかった。
   中学校ではイジメられないと思ったのに……)

私の口から
思わず言葉が
飛び出していく。

花梨「私は、小学校と同じ日々を
   三年間繰り返していただけだったんだ!」

中三の夏休み明けだった。
突然の最後通牒だ。

私が教室に入ると
机が消えていたんだ……。
 
花梨「も、もう、嫌ッ! 
   もうこんなの耐えられない!」

私は夢中で教室を飛び出した。

すると、

私の背中には
追い打ちをかけるような
罵声が浴びせられた。

同級生A「負け犬が逃げ出すぞォ!」

同級生B「二度と戻って来ンじゃねーぞォ! 
     タコォ!」

私は後ろを振り返って
抗議の言葉を
投げつけてやる。

花梨「何で、何でそんな事言うの!」

同級生C「ウッセンダヨ!」

クラスの男子が
空き缶を私に投げつけた。
空き缶が私の目に当たる。

カン!

花梨「痛い――」

私の目からは
涙がこぼれて落ちていく……

でも――、

クラス中に
私の涙を嘲笑する笑い声が
響き渡る。

同級生A「おい? 
また花梨の奴が泣き出しやがったぞ!」

同級生B「泣き虫花梨! 弱虫花梨!!

同級生C「おいおい? 
     あんまり言うと、
     またママが学校乗り込んで来るぞ?」

同級生A「うちの花梨をイジメた子は
     何処の誰なのーってな!」

クラス一同「アハハハハハハハハハハハハ!」

花梨「も、もう……嫌……。もう嫌ァ――――」

私は教室に背中を向けて
走り出した。

花梨「何で? どうして?」

花梨「どうして?、
   どうして、私ばかり……
   こんな目にあわされるの?」

私は泣きながら
始業前の廊下を走る。

廊下ですれ違う誰もが、
私に嘲笑と好奇の視線を
投げつけていく。

女子A「ちょっと、あれ……、
    三組の花梨じゃない?」

女子B「ヤダァ! 
    また、泣いてるよ。アイツ」

私は思わず
自分の顔を、
両手で隠してしまう。

花梨「見ないで! 
   そんな目で私を見るのはやめて!」

私は廊下を階段を
無我夢中で駆け抜けた。

そして――
私は人気のない踊り場に行き着いた。
私は両手を顔から離す。

花梨「やっと、着いた……」

ここは……

花梨「私だけの秘密の居場所――」

私は何かあるたびに、
ここに駆け込んだ。

そして、
私は膝を抱えて泣いていたんだ。

ここは、
私だけの秘密の踊り場だ。

花梨(どうせ……私は、一人ぼっち……)

私は階段に座る。

そして、
私は抱えた膝の中に泣き顔を埋めた。

それから、
私はいつものように泣き出す。

花梨「ぐす……うっ……」

ガタン――。

不意に物音がした。

花梨(誰? また私をイジメるの――) 

私は思わず背中を丸める。

花梨(ここは私に残された
   最後の居場所なのに……)

花梨(私は唯一の居場所からも
   追い出されるの?)

私は膝を抱えながら震えた。

すると――
大人びた声が私の頭上から放たれた。

晶「アンタ。三年生だろ? 
  緑の上履き履いているモンな」

晶「――ってコトはオレの一つ上か……」

花梨「え……」

私は、ゆっくりと顔を上げた。

そこには。
赤い上履きを履いた男の子が
口から血を垂らして立っていたんだ。

花梨(赤い上履き……て事は、
   この男の子は二年生?)

花梨(そ、そンなコトよりも、
   何で口から血が……)

私は戸惑いながらも、
男の子を見上げる。

男の子は
乱れた髪を気にする様子もない。

そして、

男の子は
口元を歪めながら
言葉を告げる。

晶「教頭の野郎。
  オレが気に喰わねぇとか
  抜かしやがってよ……」

男の子は
眉をつり上げながら
口を開く。

晶「あの野郎、
  ムシャクシャしたから
  ブッ飛ばしてやったらヨォ?」

晶「先公どもが総がかりで
  オレに飛びかかって
  来やがったんだ……!」

花梨「逃げて来たの?」

私は男の子を見つめながら
おそるおそる言った。

そしたら、
男の子は
口元を歪ませながら
言葉を返してきた。

晶「アァ――」

男の子は一息ついて口を開く。

晶「でもな? 
  全員ブッ飛ばしてやったゼ……って?」

晶「ナンだよ……。
  アンタも逃げて来たクチかよ」

男の子が
私の目元を見据えてきた。

でも……
私の目は
涙で赤く腫れているはずだ。

花梨(や、やだッ……恥ずかしい……)

私はあわてて、
男の子から頬を背けた。

だけども。

男の子は
私を心配そうに
見つめてくる。

晶「ナンだ? どーしたよ?」

花梨「何でもない」

私は涙を手で拭いながら、
かすれた声を振り絞った。

そしたら……

男の子は
私の泣き顔を
のぞき込んできた。

晶「何でもなくねーよ。
  アンタ、泣いてンじゃねーかよ?」

花梨「ううん。
   私は大丈夫。それよりも……」

私は数回首を振って、
ポケットのハンカチを
男の子に差し出した。

花梨「ね、ねぇ……これで拭いて。
   あなた、血だらけでしょ」

晶「悪リィ――」

男の子は
血塗れの口元を
自分の手で拭う。

花梨(ねぇ……どうして?)

私は男の子に
聞き返すように
心の中で呟く。

花梨(どうして、ねぇ?)

花梨(どうして、
   私のハンカチを使ってくれないの?)

花梨(ひょっとして……)

私が心で
呟いたはずの言葉が
口から漏れてしまう。

花梨「この子からも、
   嫌われちゃったの……」

晶「嫌いになったりなんかしないさ――」

男の子が踊り場の上に膝をつく。

そして、
男の子は真っ直ぐに
私を見つめて言う。

晶「可愛いアンタの持ちモンを
  汚す訳にはいかねーよ」

花梨「え……」

私は思わず息を飲んだ。

そしたら、
男の子が唇を近づけてきたんだ。

晶「アンタは世界で一番可愛いよ」

私は口元を
震わせながら
声を振り絞る。

花梨「何、何を……するの?」

晶「こういう事、さ――」

チュッ――

男の子の柔らかな唇が、
私の目元を撫でた。

そして、
男の子の優しい舌先に
私の涙が拭き取られていく。

晶「アンタは、涙を流すよりも、
  笑っていた方が可愛いぜ」

花梨「え――」

私は今まで
言われたことのない言葉を
言われて戸惑った。

でも、

男の子は
私の戸惑いをかき消すかのように
言葉を紡いでいく。

晶「マジでアンタは、
  とても可愛い女の子だよ」

男の子が私をじっと見つめて来る。
私の胸がドキドキと高鳴っていく。

花梨(この気持ちは――)

私は
自分の気持ちを確かめるように
晶を見つめる。

晶「オレ、アンタが好きだ。
  一目で惚れちまったんだ」

男の子が優しく唇を重ねてきた。

チュッ――

花梨(唇が熱い。それに、なんだか……)

私の体中が熱くなる――。

私は自分の心が
火照り出すようなな
熱さを体中で感じた。

これが、
私のファーストキスだった。

そして――。
男の子が私から唇を離していく。

晶「なぁ?」

花梨「え――」

男の子は私の目を、
じっと見据えて言葉を告げる。

晶「なぁ、アンタは、
  オレのこと好きか?」

花梨「好き――」

そう言った瞬間――
私は男の子の胸に
飛び込んでいた。

名前も知らない……

さっき、会ったばかりの
男の子の胸に、
私は顔を埋めていたんだ。

花梨「ここ、いい。すごくいい……!」

私は踊り場の上で
男の子を抱きしめながら
言ったんだ。

花梨(やっと、見つけた。
   やっと見つけたんだ……)

私の脳裏に
一人ぼっちだった時間が
走馬燈のように湧き出した。

私の瞳の裏では孤独な景色が、
夕闇のように影を落としていたんだ。

花梨(もう、嫌だ。
   あんな思いは……二度としたくない)

私は強く瞳を閉じた。

すると、

私の瞳の奥からは
津波のように
涙が溢れ出してきたんだ。

花梨「二度と戻らない……」

私は男の子を
強く抱きしめて決意する。

もう、一人じゃない……

花梨「私はもう一人じゃないんだ!」

だから――

だから、
私は男の子を……
じっと見つめて言ったんだ。

花梨「ここ、居場所にしていい? 
   私の居場所にしていいの?」

私は男の子の瞳を覗いた。

すると、
男の子は春風のように優しい声色で
告げてくれたんだ。

晶「あぁ、いいぜ。居場所にしよう」

男の子の腕が私の背中に回る。

そして、
男の子と私は
踊り場の上に立ち上がる。

晶「ここが居場所だ。
  オレ達の居場所なんだ」

男の子は踊り場の上で、
私を強く抱きしめてくれた。

そして、

男の子が
私を見据えながら
口を開く。

晶「オレがアンタの
  居場所であるように……」

晶「アンタもオレの
  居場所になってくれ」

花梨「うん」

私は笑顔で頷いた。

晶「そういえば……アンタの名前は?」

男の子は
真っ直ぐな眼差しで
私を見つめながら言った。
 
だから、私も男の子を見つめ返して言う。

花梨「私、花梨」

晶「花梨か。可愛らしいアンタに
  お似合いの名前だな」

花梨(また、可愛いって言われた)

私は、
なんだか恥ずかしくなって、
男の子から目を背ける。

でも……

花梨「私は、もう逃げない」

自分の気持ちから……
私の周りを取り囲んでいる現実から……
私の目の前の未来から――

だから――
私は目の前の男の子を見据えて
男の子に言葉を告げる。

花梨「私は花梨。あなたは――」

晶「オレは、晶――」

晶が次の言葉を放つ前に……

花梨「晶、大好き」

私は背伸びをして晶にキスをした。

チュッ――

これが、
踊り場でした初めてのキスだった。

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☆回想終了
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☆場面転換
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一人ぼっちの卒業式。
私は卒業証書を抱えて、晶の横を通り過ぎる。

晶との別れ。
踊り場からの卒業。

花梨(明日から私は一人ぼっちだ)

私は孤独への階段を、こつこつと下っていく。

私の背中には
晶が階段を登る晶の足音が、
こつこつと打ち付けられていく。

花梨「もう、嫌だ。一人ぼっちは嫌だ――」

戻りたくない……
一人ぼっちの毎日に……
晶のいなかった日々に……

花梨「私は戻りたくないんだ!」

私は自分の思いをぶつけるように叫んだ。

花梨「晶! 私、晶の側にいたい」

花梨「ずっと、ずっと――
   晶の側にいたいんだ!」

私は
思い出を振り返るように
後ろを振り向く。

花梨「晶……」

晶はいない……

そこには――
無人の踊り場が
主を失った住処のように佇んでいた。

花梨「何処へ行ったの? 晶――」

私は晶を求めて
踊り場に向かって、
階段をこつこつと上っていく。

晶「アンタ。居場所だろ?」

花梨「え――――」

私は頭上から
聞こえて来た
突然の声を見上げた。

そこには……
晶が階段の手すりから、
身を乗り出して私を見つめていた。

花梨「晶――」

やっと会えた……ような気がした。
私は言葉を振り絞ろうとした。

すると、
晶が
私の気持ちを察したように
声をかけてきた。

晶「言っただろ? 
  アンタはオレの居場所だって」

花梨「晶、晶……私だけの晶……!」

私は
目の前の晶の唇に
吸い込まれるように背伸びをした。

そして、
二階と三階の階段の狭間でキスをした。

チュッ――

踊り場は……
私達が過ぎ去った後の踊り場は……
誇らしく輝いていた。

そう……
誰かの居場所になる為を
準備してるみたいに輝いていたんだ。

晶は私を見つめながら言葉を告げる。

晶「これから、ずっと一緒だよ。花梨」

花梨「うん。これからもずっと
   私の側にいてね、晶」

踊り場を通り過ぎた私達は……

私達だけの
居場所を確かめるように
キスをした。

チュッ――

☆おしまい☆

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