朗読作品集・作詞集・自由詩集

声劇BLシナリオ「つむじ風」

更新日:

目次

声劇BLシナリオ「つむじ風」

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BLシナリオ「つむじ風」。あらすじ・人物設定・配役

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☆あらすじ
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カスミとタカちゃんは両想いだ。

だけど、二人とも……
叶わない恋に心が揺れている。

だってそれは……、
お互いが男の子だから。

男の子同士の恋愛に
先生達や両親は大反対だった。

ここは小さな街に、
カスミとタカちゃんの
許されない恋の噂が吹き荒れた。

学校にも家にも街にも、
二人の居場所はなくなってしまった。

カスミとタカちゃんは、
それぞれの思いを抱えたまま
小学校のグラウンドに座り込むが……

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ダニ・ハウスダストにふとんクリーナーレイコップ

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☆人物設定・配役☆
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☆登場人物 1人~3人(声劇時)☆
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☆1 カスミ
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主人公。
小学五年生。
内気で可愛らしい男の子。

可愛らしい外見から、
よく女の子と間違えられる。

優柔不断な一面もある。

同級生のタカちゃんと両思い。

先生や両親から
タカちゃんとの仲を咎められる。

タカちゃんとの関係に思い悩んでいる。

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☆タカちゃん。
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小学五年生。
一途で真っすぐな男の子。
小学生離れした大人びたルックスをしている。

カスミと両想いだが、
先生や両親達の反対にあっている。

☆セリフでは「タカ」という名称にしています。

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☆2+1 ナレーター
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ナレーターは、花梨または晶と一人二役で担当する事もできます。

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☆配役設定
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☆1人で声劇
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1タカちゃん、カスミ、ナレーター

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☆2人で声劇
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1タカちゃん
2カスミ、ナレーター

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☆3人で声劇
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1タカちゃん
2カスミ
3ナレーター

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ボーイズラブ(BL)シナリオ「つむじ風」あらすじ・本編。作者QB

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☆あらすじ
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カスミとタカちゃんは両想いだ。

だけど、二人とも……
叶わない恋に心が揺れている。

だってそれは……、
お互いが男の子だから。

男の子同士の恋愛に
先生達や両親は大反対だった。

ここは小さな街に、
カスミとタカちゃんの
許されない恋の噂が吹き荒れた。

学校にも家にも街にも、
二人の居場所は
なくなってしまった。

カスミとタカちゃんは、
それぞれの思いを抱えたまま
小学校のグラウンドに座り込むが……

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆本編

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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つむじ風 QB
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タカ「なぁ、カスミ。」

カスミ「え?」

タカ「あのつむじ風が
   コッチに来たらキスしよーぜー?」

唐突にタカちゃんから言われた。
僕のカラダがカーッと熱くなる。

だけど、

グラウンドの隅に置いた
僕の掌が怯えるように
震えていた。

僕は戸惑いながら口を開く。

カスミ「何、何言ってるの……突然――」

タカ「いいだろ? カスミ――」

カスミ「いいわけないじゃない……」
    また、誰かが見てたらどうするの?」

タカ「カスミ、誰が見てようと」
   オレ達の気持ちには変わりがない――だろ?」

カスミ「この街の人は
    みんな僕らの事知ってるんだよ?」

僕は俯(うつむ)きながら
言葉を紡(つむ)いでいく。

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カスミ「ねぇ? タカちゃん」
    今度は……先生に
    怒られるだけじゃすまないんだよ」

僕はタカちゃんを
突き放すように言った。

それでも、

タカちゃんは
僕の瞳を覗き込んで
声をかけてくる。

タカ「つむじ風の中で
   キスしたらばれねーだろ?」

タカ「なぁ、カスミ」

タカ「もう一度……
   オレの中でお前を感じたいんだ」

カスミ「そんなのい――」

タカ「――いいだろ? カスミ」

タカちゃんの唇が僕に迫る。

カスミ「だめ――」

僕は自分の気持ちから
逃げ出すように、
タカちゃんに頬を背ける。

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でも、

タカちゃんは
僕を追いかけるように
言ってくる。

タカ「どうして? 
   なあ? カスミ。キスしちまおーぜ」

カスミ「できない――!」

僕はタカちゃんの
誘惑を跳ねのけるように
言ってやった。

(こんなに噂になっちゃってるのに……)

カスミ「これでキスなんてしたら――」

僕の心に不安がよぎる。

でも――

僕の体はもう――、
ウソなんてつけないから……。

僕がどれだけ……
タカちゃんに頬を背けても――

あぁ、僕は――。

タカ「なあ、カスミ。いいだろ?」

タカちゃんに言われるたびに、
僕のカラダが
火照ったように熱くなる。

カスミ「だめ……。タカちゃん。
    本当にだめだよ――」

僕はタカちゃんから
逃げ出すように、
必死で頬を背けた。

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それでも、
僕の胸は嵐のように
高鳴っていた。

(ど、どうしよう……)

どうしていいかなんて
わからないよ。

どうしようもない感情が、
僕の胸の奥から
渦巻きのように沸き上がっていく。

そんな
僕のココロは
波風のように揺れている。

そして、
僕の手足が怯えるように
震え出す。

(何、何だろう? この気持ちは――)

戸惑い――。

でも、
この感情を
戸惑いと呼ぶなんて……

小学六年生の
僕にはわからなかったんだ。

カスミ「キ、キスなんて……ダメだよ……」

僕にはそう言うのが精一杯だった。

あぁ、それでも……
タカちゃんは僕の手を
ギュッと握ってくる。

タカ「いいだろ? 
   カスミ、お前としたいんだ――」

タカちゃんが
真っ直ぐな眼差しを
僕に向けてくる。

(逃げられない――)

タカちゃんに
見つめられた瞬間に
そう思った。

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カスミ「でも――」

僕が言いかけると――、

タカちゃんは
僕の心を見透かしたように
言ってきた。

タカ「なあ、カスミ。怖くねーよ」

タカちゃんが
そう言った瞬間、
つむじ風が僕の頬を撫でた。

そして――
つむじ風に煽られた小石が、
僕の足を掠めていく。

カスミ「痛ッ――」

僕は思わず声を漏らした。
そして、僕の顔が苦痛に歪んでいく。

すると、

タカちゃんが
僕の身を案じるように
声をかけてきた。

タカ「カスミ、大丈夫?」

カスミ「……」

僕はタカちゃんが
手を差し出す前に
身を強ばらせた。

そして、

僕はグラウンドに
投げ出していた
自分の足を引っ込めた。

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(タカちゃんに触れられたら――)

僕自身が壊れてしまう気がした。

だから……、

僕は三角座りになって
臆病な猫みたいに
ガクガクと震えていたんだ。

(怖い――)

僕のカラダが
地震のように
ガタガタと揺れる。

だけども、

タカちゃんは
僕の怯えを慰めるように
口を開く。

タカ「カスミ。震えてるじゃん。怖いの?」

つむじ風なんかは怖くない。

つむじ風が
吹き抜けてった後の
僕のカラダが怖いんだ。

ピュウ――

風が吹いた。
一陣の突風に僕の髪がたなびく。
僕の視界が砂埃に覆われていく。

カスミ「うわ――」

僕は思わず目を閉じた。

それでも――、

タカちゃんの声が
暗闇の中から
やってくる。

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タカ「カスミ。怖くないよ。
   オレがお前のそばにいるから」

タカちゃんが
僕を束縛するように
抱きしめた。

タカちゃんの吐息が
つむじ風みたいに
僕の頬を撫でていく。

タカちゃんの熱気に
誘われるように
喘ぎ声が漏れる。

カスミ「あぁ――」

僕の理性が溶かされていく。

カスミ「ズルいよ」

僕は目を閉じたまま呟いた。

カスミ「タカちゃんって、ズルい……」

僕は恨み言を吐くように
言葉を紡いで行く。

カスミ「ズルいよ……タカちゃん。
    僕の心も体もこんなに動けなくして」

僕はタカちゃんの手を
ぎゅっとつねった。

でも、

つねったはず指先が、
タカちゃんの肌に触れることなく
宙に舞った。

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カスミ「タカちゃん。空回りだね。僕ら――」

僕は目を閉じたまま
空を見上げた。

タカ「カスミ。空回りにならないように」
   オレはこうやって
   お前を抱きしめてるのさ」

タカちゃんは
僕を背中からぎゅっと
抱きしめる。

でも、

僕はタカちゃんを
試すように
冷たく言い放つ。

カスミ「タカちゃん。先生から言われたでしょ? 
    男の子同士がこんな事しちゃダメだって」

タカ「カスミ。嫌なの? だったら、やめよーか」

やめよーか……なんて言わないで。

僕の心に
住み着いている臆病に
拍車がかかるから。

もうすぐ
素直になれそうな
僕の心が消えてしまいそうで
怖いから。

僕は今にも
張り裂けてしまいそうな胸に
両手を当てた。

そしたら、

タカちゃんが
僕の肩に顔を乗せて
言ってきた。

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タカ「カスミ。やっぱり怖い?」

カスミ「怖くなんて――」

タカ「オレも怖いよ」

タカちゃんの息が
僕の頬にふっと触れる。

そして、
僕の本音がそっと漏れていく。

カスミ「ねぇ? タカちゃん、僕、怖い……」

カスミ「また……一人ぼっちに
    なっちゃうのが怖いんだよ」

カスミ「タカちゃん――」

僕はそっと目を開けた。

つむじ風は
僕の心のように
激しく吹き荒れている。

カスミ「ねぇ? タカちゃん」

僕はタカちゃんから
目を背けて独り言のように呟く。

カスミ「先生たちからも、
    お母さんからも言われたでしょう?」 

カスミ「男の子同士が
    好きになるのはおかしいって」

僕の瞳に涙が滲んだ。

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そしたら――

タカちゃんは
僕を背中から強く抱きしめて
言ったんだ。

タカ「おかしい? 
   オレは正直なだけさ」

タカ「カスミが好きという
   自分の気持ちに素直なだけさ」

チュッ――

タカちゃんは
僕の頬にキスをしてきた。

カスミ「タカちゃん――」

僕は肩越しに
タカちゃんに振り向いた。

そしたら、
タカちゃんが僕の唇を奪った。

チュッ――

タカちゃんが
キスをすませて
僕の瞳をのぞいた。

だから、
僕もタカちゃんを
見つめ返して言う。

カスミ「タカちゃん。
    先生から言われたでしょう」

カスミ「二人きりで会っちゃ
    ダメって言われたのに」

タカ「愛し合うなとは言われてないだろ?」

タカ「カスミ。お前だけを愛してるよ」

チュッ――

カスミ「タカちゃん――」

無理やりキスしてきた事も、
せっかく許してあげたのに……。
もう、許してあげない。

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

僕は自分の思いを
確かめるように
タカちゃんの手をきつく握った。

そして、
僕らは思い出を
刻み込むようにキスした。

チュッ――

つむじ風なんて、
とっくに消えちゃってるのに。

カスミ「タカちゃんの嘘つき……」

僕はタカちゃんの
瞳をのぞき込みながら
口を開く。

カスミ「キスしていいのは、
    つむじ風がコッチに来た時だけだって
    約束だったでしょう?」

僕はタカちゃんを
困らせる為に嘘を吐いた。

カスミ「ねぇ? タカちゃん」

カスミ「無理矢理キスなんかして。
    こういうのセクハラって言うんだよ」

タカ「カスミ。オレたちは愛し合っているから
   セクハラにはならねーンだよ」

チュッ――

タカちゃんは
僕を諫(いさ)めるように
キスしてきた。

だから、
僕は仕返しのつもりで
悪戯っぽく微笑む。

カスミ「タカちゃん。
    キスはつむじ風が来るまでお預けだよ」

タカ「カスミ。お前はオレのつむじ風さ」

タカ「だから、オレは
   お前がいる限りいつでも
   お前だけにキスしていいのさ」

タカちゃんは
僕の唇につむじ風みたいな
キスを繰り返した。

チュッ、チュ――。

☆おしまい

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つむじ風 
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