目次
【羅生門27】『高校入試模擬試験問題』【芥川龍之介】
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羅生門(らしょうもん)。
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芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)
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時代 大正時代(たいしょうじだい)
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小説(しょうせつ)
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羅生門は著者である芥川龍之介が
今昔物語集の一部をもとにして
生と悪という人間のエゴイズムを
テーマに描いた作品である。
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羅生門(芥川龍之介先生)板書/解説/語句まとめ
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆羅生門(芥川龍之介先生)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
作品名 羅生門(らしょうもん)
作者 芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)
ジャンル 小説(しょうせつ)
時代 大正時代(たいしょうじだい)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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四段構成
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ある晩の秋の日の暮れ方。
さびれ果てた都の
大通りの南端にそびえる羅生門。
一人の若い下人がたたずんでいた。
下人は主人から暇を出され、
飢え死にするか、盗人になるか、
思案していた。
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ある日の夕暮れ。
次第に夕闇が深まる。
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羅生門の下(柱の間)。
下人が雨やみを待っている。
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下人は一夜を明かそうと
門の上の楼へとはしごを登る途中で、
老婆が門の中に火をともして
かがみこんでいるのを見つけた。
下人は恐れと好奇心にかられて老婆を見ていた。
老婆は死人の髪の毛を抜いていた。
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それから、何分かの後。
夜。
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楼の上へ出るはしごの途中。
下人が上の様子を
うかがっている。
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下人は悪への憎悪にかられて
老婆をつかまえた。
下人は老婆に髪の毛をぬくわけを
たずねる。
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夜。
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楼の上。
下人が老婆を捕らえて、
引剥をした。
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老婆は飢え死にしない為には
仕方がないと
下人に弁解をした。
下人は、その弁解を聞くと、
老婆の着物をはいで、
暗闇に行方をくらました。
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まもなく。
黒洞々たる夜。
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羅生門の上と下。
老婆が楼の上から下を
のぞき込んだ。
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ある日の暮れ方
昼間と夜との境界線。
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平安時代末期。
時代の境界線。
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晩秋。
きりぎりす(コオロギ)がいる。
火桶がほしい寒さ。(火桶の火が欲しいほど寒い)
季節の境界線。
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金銭で売買される奴隷。
平安時代は寺家や貴族や武士や名主等に
隷属する家内奴隷的存在。
農耕や雑役や軍役等に駆使された。
所領田畠や家屋、家畜と同様に
譲与、売買、質入れの対象。
土地を給与されることはない。
下人のほうが所従より隷属度が強い。
下人に子が生まれると、
その子は母に付けて譲与、売買。
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支配されるままで、主体性がない。
↓「盗人になる勇気が出ない」
老婆の生死を支配した時の
気持ちの伏線になる。
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若い。
十五~十八才。
子供と大人の境界線。
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暇を出す=使用人などをやめさせる。
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衰微=おとろえ弱ること。
余波=とばしり。あおり。影響。
正しくは、「元下人」である。
サンチマンタリスム(感傷的な気分)
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羅生門(芥川龍之介先生)板書/解説
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆羅生門(芥川龍之介先生)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
作品名 羅生門(らしょうもん)
作者 芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)
ジャンル 小説(しょうせつ)
時代 大正時代(たいしょうじだい)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆第一段落(或日あるひの暮方~下の段に踏みかけた。)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆第一段落 下人の行動と心理
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆下人の行動
羅生門の石段に腰かけて、ぼんやり雨の降るのを眺めていた。
☆下人の心理
明日の暮らしをどうにかしようと、とりとめもなく考えている。
☆下人の行動
生きるためには盗人になるしかないが、その勇気が出ず、途方にくれる。
☆下人の心理
大きなくしゃみをし、大儀そうに立ち上がって、
寝ようと楼へ上がるはしごに足をかけた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆第二段落(それから、何分かの~忘れているのである。)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆あらすじ
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
下人は一夜を明かそうと門の上の楼へとはしごを登る途中。
中に老婆が火をともしてかがみこんでいるのを見つけた。
下人は恐れと好奇心にかられて老婆を見ていた。
老婆は死人の髪の毛を抜いていた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆第三段落(そこで、下人は、~意味のことを言った。)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆あらすじ
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
悪への憎悪にかられて下人は老婆をつかまえ、髪の毛をぬくわけをたずねる。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆ 第四段落
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆あらすじ
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
飢え死にしない為には仕方がないという老婆の弁解を聞くと、
下人は老婆の着物をはいで、暗闇に行方をくらます。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆時刻
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
まもなく。黒洞々たる夜。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆場面
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
羅生門の上と下。老婆が楼の上から下をのぞき込む。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆下人の論理について
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆下人の論理を考える。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆老婆は、せねば飢え死にをするから仕方なく、死んだ女の髪の毛を抜いた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆下人は何をするのか。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・老婆の着物を引剥ぐ。
・盗人になる。
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☆そうする理由。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・せねば飢え死にをするから。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆老婆に「恨むまいな」と言った理由。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・下人が老婆を許す。
↓
老婆も下人を許す。
☆老婆の論理をそのまま当てはめている。
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☆老婆と女の場合との違い。
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・女は死んでいたが、老婆は生きている。
・意思表示ができる。
☆老婆は、自分の論理によって、加害者から被害者になる。=自業自得
☆下人は、老婆の論理によって盗人になる決意をする。
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羅生門(芥川龍之介先生)現代文高校入試模擬試験問題
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一、次の文を読んで後の設問に答えなさい
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下人は、太刀を鞘におさめて、
その太刀の柄を左の手でおさえながら、冷然として、この話を聞いていた。
もちろん、右の手では、
赤く頬にうみを持った大きなにきびを気にしながら、聞いているのである。
「A」これを聞いているうちに、
下人の心には、①ある勇気が生まれてきた。
それは、さっき門の下で、この男には欠けていた勇気である。
「B」また、さっきこの門の上へ上がって、
この老婆を捕らえた時の勇気とは、
全然、反対な方向に動こうとする勇気である。
下人は、飢え死にをするか盗人になるかに、
迷わなかったばかりではない。
その時の、この男の心持ちから言えば、
飢え死になどということは、ほとんど、考えることさえできないほど、
意識の外に追い出されていた。
「きっと、そうか。」
老婆の話が終わると、
下人は②あざけるような声で念を押した。
そうして、一足前へ出ると、
不意に右の手をにきびから離して、
老婆の襟髪をつかみながら、 ③噛みつくように、こう言った。
「 ④では、おれが引剥をしようと恨むまいな。
おれもそうしなければ、飢え死にをする体なのだ。」
下人は、すばやく、老婆の着物をはぎとった。
それから、足にしがみつこうとする老婆を、手荒く死骸の上へ蹴倒した。
梯子の口までは、わずかに五歩を数えるばかりである。
下人は、剥ぎとった檜皮色の着物をわきにかかえて、
またたくまに急なはしごを⑤夜の底へかけ下りた。
⑥しばらく、死んだように倒れていた老婆が、
死骸の中から、その裸の体を起こしたのは、
⑦それからまもなくのことである。
老婆は、つぶやくような、
うめくような声を立てながら、まだ燃えている火の光をたよりに、
はしごの口まで、はっていった。
そうして、そこから、
短い白髪をさかさまにして、門の下をのぞきこんだ。
外には、ただ、黒洞々たる夜があるばかりである。
⑧下人の行方は、だれも知らない。
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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問1 空欄Aに入る語句を選択肢から選んで○をつけなさい。
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ア それなら、
イ しかし、
ウ だから、
エ そうして、
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問2「①ある勇気」とは、どんな勇気か。
本文中の言葉を用いて十文字以内で答えなさい。
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「 」
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問3 空欄Bに入る語句を選択肢から選んで○をつけなさい。
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ア それなら、
イ しかし、
ウ だから、
エ そうして、
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問4 下人に老婆を「②あざけるような」心情が生まれたのはなぜか。
選択肢から選んで○をつけなさい。
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ア 老婆の話の内容が矛盾に満ちていて、論外だと思ったから
イ 老婆の話の内容が、老婆の着物を奪う理由となったから
ウ 老婆の話が死人への悪口だけで、全く説得力がないから
エ 老婆の話には矛盾はないが、とうてい容認できないから
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問5「③噛みつくように」から読み取れるものとして
次のカッコの中に、アは名詞、イは動詞を記入しなさい。。
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下人が、老婆にア「 」を寄せ、
強くイ「 」ようす。
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問6 下人が「④では、おれが……飢え死にをする体なのだ」と
言った理由を説明せよ。
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「
」
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問7「⑤夜の底」は何を象徴するものか、
「人生」という語を使って十文字以内で答えなさい。
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「 」
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問8「⑥しばらく」、「⑦それからまもなく」は、
何からの時間の経過を表しているか、それぞれ説明せよ。
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⑥ しばらく「 」
⑦それからまもなく「 」
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問9「⑧下人の行方は、だれも知らない」とあるが、
あなたが考える下人の行方を、根拠を示しながら説明しなさい。。
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「 」
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羅生門(芥川龍之介先生)現代文高校入試模擬試験問題解答/解説
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一、次の文を読んで後の設問に答えなさい
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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下人は、太刀を鞘におさめて、
その太刀の柄を左の手でおさえながら、冷然として、この話を聞いていた。
もちろん、右の手では、
赤く頬にうみを持った大きなにきびを気にしながら、聞いているのである。
「A」これを聞いているうちに、
下人の心には、①ある勇気が生まれてきた。
それは、さっき門の下で、この男には欠けていた勇気である。
「B」また、さっきこの門の上へ上がって、
この老婆を捕らえた時の勇気とは、
全然、反対な方向に動こうとする勇気である。
下人は、飢え死にをするか盗人になるかに、
迷わなかったばかりではない。
その時の、この男の心持ちから言えば、
飢え死になどということは、ほとんど、考えることさえできないほど、
意識の外に追い出されていた。
「きっと、そうか。」
老婆の話が終わると、
下人は②あざけるような声で念を押した。
そうして、一足前へ出ると、
不意に右の手をにきびから離して、
老婆の襟髪をつかみながら、 ③噛みつくように、こう言った。
「 ④では、おれが引剥をしようと恨むまいな。
おれもそうしなければ、飢え死にをする体なのだ。」
下人は、すばやく、老婆の着物をはぎとった。
それから、足にしがみつこうとする老婆を、手荒く死骸の上へ蹴倒した。
梯子の口までは、わずかに五歩を数えるばかりである。
下人は、剥ぎとった檜皮色の着物をわきにかかえて、
またたくまに急なはしごを⑤夜の底へかけ下りた。
⑥しばらく、死んだように倒れていた老婆が、
死骸の中から、その裸の体を起こしたのは、
⑦それからまもなくのことである。
老婆は、つぶやくような、
うめくような声を立てながら、まだ燃えている火の光をたよりに、
はしごの口まで、はっていった。
そうして、そこから、
短い白髪をさかさまにして、門の下をのぞきこんだ。
外には、ただ、黒洞々たる夜があるばかりである。
⑧下人の行方は、だれも知らない。
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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問1 空欄Aに入る語句を選択肢から選んで○をつけなさい。
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ア それなら、
「イ」 しかし、
ウ だから、
エ そうして、
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問2「①ある勇気」とは、どんな勇気か。
本文中の言葉を用いて十文字以内で答えなさい。
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「盗人になる勇気(7字)」
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問3 空欄Bに入る語句を選択肢から選んで○をつけなさい。
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ア それなら、
イ しかし、
ウ だから、
「エ」 そうして、
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問4 下人に老婆を「②あざけるような」心情が生まれたのはなぜか。
選択肢から選んで○をつけなさい。
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ア 老婆の話の内容が矛盾に満ちていて、論外だと思ったから
「イ」 老婆の話の内容が、老婆の着物を奪う理由となったから
ウ 老婆の話が死人への悪口だけで、全く説得力がないから
エ 老婆の話には矛盾はないが、とうてい容認できないから
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問5「③噛みつくように」から読み取れるものとして
次のカッコの中に、アは名詞、イは動詞を記入しなさい。。
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下人が、老婆にア「顔」を寄せ、強くイ「脅す」ようす。
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☆問5解説
アは老婆との距離、
イは下人の意図に関するものである
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問6 下人が「④では、おれが……飢え死にをする体なのだ」と
言った理由を説明せよ。
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「飢え死にを避けるために仕方なくする行為は許されるという理由で、
老婆が死人の髪を抜いていた行為と同様に、
老婆の着物を奪うという自分の行為が許されることを確認するため。」
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☆問6解説
下人が老婆から引きはぎをすることを
正当化できる理屈と老婆の理屈を
比較・整理して考える。
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問7「⑤夜の底」は何を象徴するものか、
「人生」という語を使って十文字以内で答えなさい。
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「暗く絶望的な人生(8字)」
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☆問7解説
絶望的な暗黒の決して抜け出せない
最底辺におかれた人生を表現する。
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問8「⑥しばらく」、「⑦それからまもなく」は、
何からの時間の経過を表しているか、それぞれ説明せよ。
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⑥ しばらく「下人が老婆を蹴倒してから。」
⑦それからまもなく「下人が梯子をかけ下りてから。」
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☆問8解説
「下人は、すばやく、老婆の着物をはぎ取った。
それから、足にしがみつこうとする老婆を、手荒死骸の上へ蹴倒した。
…急なはしごを夜の底へ駆け下りた。」から考えて結論を導き出すこと
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問9「⑧下人の行方は、だれも知らない」とあるが、
あなたが考える下人の行方を、根拠を示しながら説明しなさい。。
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解答例
「盗人となった以上、盗むべき対象が数多く存在する都の中へ向かった。」
「『飢え死にしないためにしかたなくする行為は許される』という
下人が獲得した行動の立脚点から、最初にその行為を
下人に対して行っていた主人のもとへ、強盗を働きに向かった。」など
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【スタディサプリ】中学国語 基礎
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中学講座
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☆現代語・現代文・国文法学習次回の記事です☆
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☆古文漢文現代文学習ブログです☆
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☆オンライン学習ブログの記事です☆
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