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私の朗読作品集・作詞集・自由詩集

【私の朗読作品集】声劇シナリオ『キャロット物語』

更新日:

【私の朗読作品集】声劇シナリオ『キャロット物語』

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☆私の朗読作品集の前回の記事です☆
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自由詩集『bouquet lady』『雪の花。春の花』


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シナリオ「キャロット物語」。あらすじ・人物設定・配役

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☆あらすじ
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キャロットはにんじんの女の子です。
キャロットはお母さんと二人で土の中に暮らしていました。

キャロットには夢がありました。
それは、おひさまを見るということです。
キャロットはお母さんからおひさまの話を聞く度に心が躍ります。

ある日。
お母さんがおひさまを見た話をすると急に泣き出してしまいました。

キャロットはお母さんのお母さんの涙の理由を聞きました。
しかし、お母さんは何も教えてはくれませんでした。
実はお母さんの涙にはキャロットたちの避けられない運命が隠されていたのです。

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☆人物設定・配役☆
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆登場人物 2人~6人(声劇時)☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆1 キャロット(子供時代)にんじんの女の子

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

にんじんの女の子。
お母さんと二人で土の中で暮らしている。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆2 お母さん

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

お母さんにんじん。
キャロットのお母さん。
キャロットと二人で土の中で暮らしている。
子供のころにおひさまを見た。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆3 キャロット(お母さん時代)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

お母さんになったキャロット。
娘のキャラットがいる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆キャラット(キャロットの娘)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

にんじんの女の子。
キャロットの娘。
お母さんになったキャロットと二人で土の中で暮らしている。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆5 お父さん

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

三十歳くらいの男性。
農場主。
自分の農場でにんじん(キャロット達)を育てている。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆6 男の子

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

五歳くらいの男の子。
農場の跡継ぎ。
お父さんと一緒に、にんじんの収穫のお手伝いをするのを楽しみにしている。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆6+1 ナレーター

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

キャロットの子供時代と大人時代の配役は二人一役で可能。
ナレーターも他の配役と同時担当が可能。
お父さんと子供も二人一役の配役が可能である。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆配役設定

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆2人で声劇
1キャロット(子供時代)、ナレーター、キャラット(キャロットの娘)
2キャロット(お母さん時代)、お父さん、男の子

☆3人で声劇
1キャロット(子供時代)、キャラット(キャロットの娘)
2キャロット(お母さん時代)、ナレーター
3お父さん、男の子

☆5人で声劇
1キャロット(子供時代)
2キャロット(お母さん時代)
3キャラット(キャロットの娘)
4お父さん
5ナレーター、男の子

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

声劇シナリオ『キャロット物語』あらすじ・本編

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆あらすじ

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

キャロットはにんじんの女の子です。
キャロットはお母さんと二人で土の中に暮らしていました。

キャロットには夢がありました。
それは、おひさまを見るということです。
キャロットはお母さんからおひさまの話を聞く度に心が躍ります。

ある日。
お母さんがおひさまを見た話をすると急に泣き出してしまいました。

キャロットはお母さんのお母さんの涙の理由を聞きました。
しかし、お母さんは何も教えてはくれませんでした。
実はお母さんの涙にはキャロットたちの避けられない運命が隠されていたのです。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆本編

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

キャロット「おひさまが見たい」
 
キャロットは
冷たい土の中でお母さんに言いました。

ひんやりと冷たい風が
土の中を吹き抜けます。

ヒュウ――

キャロット「うわっ。冷たい――」

キャロットは
土の中で産まれ育った
ニンジンの女の子です。

そして、
お母さんと二人で
土の中で暮らしているのです。

キャロットは
お母さんに甘えるように聞きます。

キャロット「ねぇ、お母さん?」 

キャロット「おひさまって、どんな形をしているの?」

お母さんは
甘えん坊さんのキャロットを、
ぎゅっと抱きしめながら語りかけます。

お母さん「キャロット」

お母さん「おひさまはね、とっても大きいんだよ」

キャロット「え? お母さんよりも大きいの?」

お母さん「そう」

お母さん「おひさまはね、
     お母さんよりもすっとすっと大きいんだよ」

お母さんは、
おひさまの大きさを
両手をいっぱいに広げて説明します。

キャロット(お母さんよりも大きいのか・・・・・・)

キャロット(じゃあ、モグラのモーちゃんよりも大きいのかなあ)

キャロットは、
おひさまのイメージを膨らませていきます。

すると、
お母さんがキャラットのイメージを
後押しするように言いました。

お母さん「キャロット」

お母さん「お母さんはね、
     子供の頃に夏のおひさまを見たんだよ」

お母さんは昔を懐かしむように微笑みます。

だから、
キャロットは、
ますますお母さんの思い出話が気になります

キャロット「夏? ねぇねぇ・・・・・・お母さん。夏って何?」

お母さん「キャロット。夏はね――、とっても暑いんだって」

キャロット「暑い? お母さん、夏って暑いの?」

キャロットは不思議そうにお母さんを見つめます。

お母さんは
キャロットを優しく抱きしめながら、
ゆっくりとした口調で言いました。

お母さん「そうだよ。
     キャロット、夏はとても暑くてね・・・・・・」

お母さん「たくさん汗が出て、
     お水がいっぱい飲みたくなるんだって」

キャロット「へぇー。夏かあ・・・・・・」

キャロットは
夏が来るのが、
とても待ち遠しくなりました。

キャロット(夏っていつになったらやって来るのかなあ?)

キャロット(そしたら、おひさまと会えるのかなあ?)

キャロットは
お母さんに疑問をぶつけてみます。

キャロット「ねぇねぇ、お母さん?」

キャロット「夏のおひさまって、いつになったらやって来るの?」

お母さん「キャロット」

お母さん「おひさまはね、土の中には来てくれないんだよ」

お母さんは
キャロットを
あやすように言います。

それでも、
キャロットは外の世界の事が
気になってたまらないのでしょう。

キャロットは
次から次へと
お母さんに質問していきます。

キャロット「ふーん。じゃあ、何処に行けば会えるの?」 

キャロット「モグラのモーちゃんの秘密基地?」

キャロット「それともミミズのミミちゃんの遊び場かなあ?」

お母さん「キャロット」

お母さん「おひさまはね、土の外に出ないと会えないのよ」

お母さんは少し悲しそうな顔をして言いました。 

キャロット「ふーん。お母さん、土の外に出たんだ。いいなあ――」

キャロットは
土の外の光景を思い浮かべて
目を輝かせます。

実は
キャロットは
一度も土の外に出た事がありません。

だから――

キャロットは、
たった一度でいいから
土の外に出たくてたまらなかったのです。

キャロット(土の外ってどんな所なんだろう?)

キャロットは笑みを浮かべながら、
心に浮かべた外の世界のイメージを
膨らませていきます。

キャロット(外の世界は楽しい所なのかなあ?)

キャロット(それとも、ワクワクするような場所なのかなあ?)

キャロットは、
はやる気持ちを押さえながら、
お母さんに質問します。

キャロット「ねえねえ。お母さん、お母さん!」

キャロット「お母さんは、どうやって土の外に出たの?」

お母さん「お母さんはね、お母さん・・・・・・」

お母さんが言葉に詰まります。

だから、
キャロットも、
お母さんの顔を心配そうにのぞき込みます。

キャロット「お母さん・・・・・・?」

お母さん「キャロット。お母さんはね?」

お母さん「お母さんのお母さん・・・・・・
     キャロットのお婆ちゃんと土の外に出たんだよ」

お母さんは、
そう言うと泣いてしまったのです。
 
キャロット「ねえ? お母さん。どうしたの?」

キャロット「どうして泣くの? お母さん」

キャロットは、
お母さんの腕を
ぎゅっと握りしめました。

キャロット「お母さん? ねえ、何か言って?」

キャロット「お母さん、お母さん?」
 
キャロットは
何度も何度も、
お母さんに呼びかけました。

でも――
お母さんは何も言わずに・・・・・・
ただ、ぽたりぽたりと涙を落とすだけだったのです。

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☆場面転換

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

キャロット「ねえ? お母さん」

キャロット「どうして、いつも土の中って、こんなに冷たいのかなあ?」

キャロットは、
いつも不思議に思っていた事を
お母さんに聞いてみました。

お母さんは
首をかしげながら
キャロットにこたえます。

お母さん「冷たい・・・・・・って」

お母さん「キャロットが産まれた時から
     土の中はずっと冷たいじゃないの?」

キャロット「あのね? お母さん、モグラのモーちゃんがね?」

キャロット「キャロットが産まれる前は土の中は温かかったって言ってたよ」

キャロットは、
お母さんに問いかけるように
言いました。

お母さん「あ――」

お母さんの表情が急に曇りました。

キャロット「え? どうかしたの? お母さん――」

キャロットは
お母さんの表情を不安に思って
問いかけました。

でも、
お母さんはキャロットの質問に答えることなく、
微かに声を震わせたまま言葉を続けます。

お母さん「キャロット。あのね?」

お母さん「土の中が冷たいのは、今が冬という季節だからよ」

お母さんは、
何かを忘れるように
キャロットを抱きしめます。

キャロット「ふーん」

キャロット「ねえ?お母さん。冬が終わったら、どうなるの?」 

キャロットは、
あどけない表情で、
お母さんに声をかけました。

お母さん「キャロット。冬が終わったらね。春がやって来るのよ」

キャロット(春? 春がやって来ると、どうなるんだろう?)

キャロットは、
まだ知らない春の事を
お母さんに聞いてみます。

キャロット「ねえ? お母さん」

キャロット「春がやって来ると、どうなるの?」

お母さん「キャロット」

お母さん「春になるとね、雪がとけて草木に花が咲いてね」

お母さん「世界が鳥の歌声であふれるんだって」

お母さん「そんな風に、お母さ・・・・・・キャロットのお婆ちゃんが言ってたわ」

お母さんは
そう言うと表情を曇らせながら、
言葉を詰まらせてしまいました。

キャロット「へえ。お婆ちゃん?」

キャロット「あ、お婆ちゃんて見たことないなあ・・・・・・」

キャロットは
何かを思い出したように、
お母さんに問いかけます。

キャロット「ねえねえ? お母さん」

キャロット「お婆ちゃんって、何処にいるの?」

お母さん「何処・・・・・・」

お母さんは一瞬、言葉に詰まりました。
 

 
でも、
お母さんは心を落ち着けながら、
言葉を振り絞るようにキャロットに言います。

お母さん「キャロット」

お母さん「お婆ちゃんはね。お出かけをしているのよ」

キャロット「お出かけ? ねぇ、お母さん?」

キャロット「お婆ちゃんは何処へお出かけをしているの?」

お母さん「遠い、遠い所よ・・・・・・キャロット――」

お母さんは
目に涙をいっぱい溜めて、
土の天井を見上げます。

お母さん「そうね・・・・・・春に。もう、春になるのね――」

ぽたり、ぽたり――

お母さんの目から
こぼれ落ちた涙が
キャロットの額を濡らすのでした。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆場面転換

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ザクッ。ザクッ。ザクッ――

おや、何でしょう?
土の天井から音が聞こえます。

ザクッ。ザクッ。ザクッ――

キャロットは
不安そうに天井を見上げます。

キャロット「ねえ、お母さん? 何か音がするよ」

キャロット「この、ザク、ザクッて音。これ、何の音かなあ」

お母さん「ああ・・・・・・春に、春になってしまったのね――」

お母さんは
キャロットを何かから守るように
強く抱きしめます。

キャロット「どうしたの? お母さん。痛いよ。お母さん――」

キャロットは、お母さんと共に天井を見上げます。

ザクッ。ザクッ。ザクッ――

ザクザクッという音はだんだんと大きくなっていきます。

ザクッ。ザクッ。ザクッ――

天井から
キャロット達をさらいに来たように
ザクザクッという音が近づいて来ます。

ザクッ。ザクッ。ザクッ――

ザクザクザクザク、ザクッ――

お母さん「キャロット――」

お母さんが何かをあきらめたように呟きます。

お母さん「ねぇ? キャロット」

お母さん「外が・・・・・・外の世界が見られるよ」

お母さんは
涙をぽろりぽろりと落としながら、
キャロットを見つめます。

でも・・・・・・

キャロットは、
どうしていいかわからずに、
ただただお母さんを見上げます。

キャロット「お母さん。どうしたの?」

キャロット「ねぇ?どうして泣いているの? お母さん・・・・・・」

キャロットが、お母さんの涙に手を伸ばします。

その時でした。

ザクザクザクザク・・・・・・

ザク――。

ぱああっ――

天井が
ぱあっと明るくなりました。

土の天井に
大きな穴が開きました。

キャロットは
天井から差し込んで来た光に
目を細めます。

キャロット「まぶしい・・・・・・、まぶしいよ――。お母さん」

お母さん「キャロット。見てごらん。あれがおひさまだよ」

お母さんは
キャロットを抱きかかえたまま
天井の穴に近づけました。

キャロットは
天井の穴に向かって
ゆっくりと目を開けます。

キャロット「あれが――。あれが、おひさま・・・・・・」

キャロットが、
おひさまに向かってゆっくりと手を伸ばします。

その時でした――。

天井の穴から、
大きな手がやって来ます。

大きな手は
キャロットとお母さんを
ぎゅっと握りしめます。

ぎゅう。

お父さん「よーし。大きく育ったな」

男の子「大きなにんじんだね。お父さん」

お父さん「ああ、これなら大丈夫だ。食べ頃だぞ」

男の子「わーい! 僕、にんじん大好きー!!」

土の外では
お父さんと男の子が
楽しそうにはしゃいでいます。
 
お父さんの
大きな手はキャロット達を
更に力強く握りしめます。

ぎゅう、ぎゅう――。

キャロットは恐怖のあまりお母さんに助けを求めます。

キャロット「お母さん!」

しかし、
大きな手はキャロットとお母さんを
握りしめて土の外へと連れ出します。

お父さん「お母さんに持っていって、
     おいしいごはんを作ってもらおう」

男の子「ねえねえ? お父さん」

男の子「お母さんはこのにんじんでどんなごはんを作るの?」

お父さん「うーん? カレーかシチューかなあ?」

男の子「えー! 僕、キャロットケーキがいいなー」

男の子は嬉しそうにはしゃぎます。

男の子「お母さんのつくるケーキは甘くて美味しいから、
    僕は大好きなんだー!!」

お母さん「キャロット。見てごらん」

お母さんは
最後を悟ったような静かな表情で
キャロットに語りかけます。

お母さん「あの茶色いのが木だよ」

お母さん「木の上で楽しく歌っているのが鳥だよ」

お母さん「あちこちに可愛く咲いてるのがお花なんだよ」

キャロットがお母さんと最後に過ごした時間。

それは――。
キャロットが、ずっとずっと心待ちにしていた外の世界でした。

土の外の世界は、
キャロットが土の中で想像していたよりも、
ずっとずっと大きくて美しくて素晴らしい世界だったのです。

にんじんは食べ物です。
にんじんは子供を産んでお母さんになると、
スコップで掘り出されて連れ去られます。

そうです。

にんじんは、あなたのごはんになるのです。

キャロットのお母さんやお婆ちゃんも、
キャロットのように子供だった日がありました。

そして――。
キャロットと同じように、
お母さんが連れ去られた日に少しだけ外の世界を見たのです。

夏のおひさまや、春の景色を見たのです。

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☆場面転換

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
;
キャラット「暑いね。お母さん」

キャロットの娘のキャラットが言いました。
お母さんになったキャロットは
娘のキャラットを抱きしめています。

キャロットの腕の中では、
キャラットが笑顔を浮かべながら汗をかいています。

キャラット「ねえねえ? お母さん。まだまだ暑くなるの?」

キャロットは
娘のキャラットの汗を
拭いてあげながら答えます。

キャロット「そうだね」

キャロット「キャラット、
      夏はおひさまが元気になるから、もっと暑くなるんだよ」

キャラット「へえー。お母さんは夏やおひさまを見たの?」

キャロット「ううん」

キャロットは首を横に振って答えます。

キャロット「お母さんのお母さん・・・・・・
      キャラットのお婆ちゃんが夏やおひさまを見たんだよ」

キャロットは
少しだけ表情を曇らせながら言いました。

キャラット「ふーん。そっか・・・・・・」

キャラットは
キャロットの悲しそうな顔を
不思議そうに見ています。

だから、
キャロットは悲しさを吹き飛ばすような
元気な笑顔で言いました。

キャロット「ねえ? キャラット!」

キャロット「夏になったらね、
      私もキャラットも土の中から出て外の世界が見られるよ」

キャラット「本当!! お母さん――」

キャラットは太陽のように、
きらきらとした笑みを浮かべてキャロットを見つめます。

キャロット「うん! 本当だよ」

キャロットはこ
れから待ち受ける運命を吹き飛ばすように
明るい笑顔で答えます。

キャロット「ねえねえ? キャラット」

キャロット「何処までも青い空に青々と茂った木々が
      世界中を明るくする夏のおひさまが見られるのよ」

キャラット「わあ。早く見たい」

キャラット「私、お母さんと夏のおひさまを見たいなあ」

さあ、
熱い風が吹き抜けて、
セミが歌う夏の季節はもうすぐです!

キャラット「ねぇ? お母さん」

キャラット「私、お母さんが子供の頃にお婆ちゃんと一緒に見た
      おひさまをお母さんと一緒に早く見たいなあ!!」

キャラットは、
キャロットが子供の頃にお母さんと見た、
おひさまのように明るく輝いた笑顔で笑いました。

☆おしまい

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小説『キャロット物語』
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☆住まい・生活・引っ越し・保険特集次回の記事ですす☆
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開運招福・吉兆来福・運気好転・千客万来。

あなた様の
お幸せと健やかな日々を
お祈り申し上げます。

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☆私の朗読作品集の次回の記事です☆
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小説『喫茶店“marché”』


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